1. 100回記念!運営メンバー座談会
2今後の予定
1.100回記念!運営メンバー座談会
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会のメールマガジンが今号で100回を迎えました。今回は、数日前に開催した運営メンバー有志によるオンライン座談会の様子をお伝えします。PXを取り巻く環境の変化やPX研究会としての活動など、ざっくばらんに語ってもらいました!
参加者:曽我香織さん(代表理事・株式会社スーペリア)/安藤潔さん(理事・東海大学医学部)/古川幸治さん(医療法人財団岩井医療財団)/西本祐子さん(国立病院機構九州医療センター)/濱田浩美さん(北海道大学大学院歯学研究院)
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ーー日本の医療機関からのPXへの反応はいかがですか。ご自身の気づきなどを含めてお聞かせください。
安藤 日本の医療界ではPXが普及しているとはいえませんが、学会や研究会などで取り上げられているので今後に期待しています。当研究会で受託しているNHA(日本ホスピタルアライアンス)のPXアンケートの2年間の結果データからは個々の病院の姿が見えてきます(注:2019年度は加盟病院のうち49病院が参加しています)。結果をもとに、病院に対してアドバイス、コンサルティングができるようにしていきたいですね。
西本 一時期よりは落ち着いていますが、当研究会が開発した日本版PXサーベイに関する問い合わせは寄せられています。多くの病院では自院の機能などに合わせて、質問票をカスタマイズして使いたいという希望が多いです(注:利用同意書に賛同、提出いただく条件で質問票を無料で提供しています)。
濱田 私はPXE(Patient eXperience Expert)の1期生で、歯科医院を経営していますがいろいろな場面でPXの重要性に気づくようになりました。コミュニケーションのとり方次第でPXは上がりますね。
曽我 実家の歯科医院を継ぐためにPXを学んでどうでしたか。
濱田 PXがどういうものなのか、相手への提案の仕方などもPXからわかるようになったと思います。今後PXEで学んだジャーニーマップを作るなどしたいと思います。
古川 稲波脊椎・関節病院で継続してPXアンケートを実施しています。スタッフへのPXの認知度も高まり、法人内の別の病院でも実施したいとの声が挙がっています。アンケート結果は、医療の質向上推進室のメンバーで共有し、現場にフィードバックしていますが、全スタッフに共有していかなければと思っています。他院との比較データを見たいといった声も聞かれます。
西本 当院は日本版PXサーベイのほかにHCAHPS(Hospital Consumer Assessment of Healthcare Providers and Systems;エイチキャップス)や国立病院機構の患者アンケートを実施しています。データに基づき、ほかと比べてPXサーベイがいいのかをトップに理解してもらうためのアプローチが課題です。
安藤 いろんな調査票を比較してみるといいかもしれませんね。たとえば医師や看護師の評価項目を比較するといろんなことが見えてくると思います。
西本 当院では5月にPX研究会が開発するEX(Employee eXperience;職員経験価値)サーベイを実施する予定です。たたき台として作った調査票を当院の看護師にやってもらいました。実施に向けてこれから調整が必要ですね。
ーーPX研究会として、今後何をしていきたいですか。
安藤 合宿!
西本 バーベキュー!!
(注:3月に合宿・バーベキューを行う予定でしたが新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となりました)
濱田 PXサーベイによって改善につなげた事例を見たいです。自分のところでやってみて、サーベイの結果、こんなによくなったということを患者さんが感じられるといいですね。
安藤 先日歯科を受診して思ったのが、歯科ではPXの高さを実感しやすいということです。歯科でPXに取り組むのはとてもいいと思います。
曽我 地に足がついた話としては、EXサーベイを実施してランキング公表ができればと思っています。PXとEXの相関についての論文を誰か書きませんか。エクスペリエンスを病院の信用度の指標とし、高い病院にPXコイン(仮想コイン)を配りたい。PXを率先垂範する病院をつくりたいです。
古川 法人の2病院でPXサーベイを実施、比較したいと思います。EXサーベイは当院でもやってみたいです。アナリティクスチームとしてはサーベイ結果の分析の標準化をしていきたい。PXを高めるための手法としてコーチング、デザイン思考などが必要なので取り組みたいです。
西本 他院との比較した結果を具体的にどう活用していこうと思っていますか。
古川 当院は整形外科の専門病院なので、整形外科として診療のレベルをはかりたいです。比較結果として、具体的な病院名を出すとスタッフにとって刺激になります。PXに取り組むことで選ばれる病院にしていきたいですね。
ーーありがとうございました。
※PXEの第2期生を募集しています。PXを体系的に学べる機会です、エントリーお待ちしています。申し込みは下記リンクからお願いします。
Link: https://www.pxj.or.jp/pxe/
2. 今後の予定
PX研究会初の「オンライン寺子屋」(勉強会)を4月18日に開催します。研究会としての新たな取り組みであるEXサーベイについてなど、意見交換をしたいと思います。
第1回 PX寺子屋
4月18日(土) 13:00-14:00
※オンラインでの開催。参加者には4月13日(月)にZoom(Web会議ソフト)のリンクを一斉配信する予定です。
PX概論 岩井医療財団 システム課・広報課課長 古川 幸治
EXサーベイについて 国立病院機構九州医療センター 小児外科医長 西本 祐子
PX研究会2020年の活動 日本PX研究会 代表理事 曽我 香織
※研究会会員は無料、会員外の方は有料(1000円、事前に参加費の振り込みをお願いします)。申し込みは下記リンクからお願いします。
Link: https://www.pxj.or.jp/events/
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
病院の敷地内にミツバチの巣箱を見つけました。小学生の時、放課後になると大学の農学部に巣箱を見るために通うほど、アイドルよりもハチに夢中でした。(F)