1.「オンライン寺子屋」開催します!
2.連載「Patient Stories」第35回 話す・食べる・噛むの回復
3. 今後の予定
1.「オンライン寺子屋」開催します!
新型コロナウイルス感染症の影響でイベントなどの開催ができなくなっているなかで、注目されているのがオンライン。医療では、慢性疾患の定期受診では診療・服薬指導にオンラインの活用が認められました。
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では今年、4拠点で「寺子屋」と題した勉強会を企画していますが、初の寺子屋をオンラインで開催することにしました!
4月18日(土) 13:00-14:00、Zoom(Web会議ソフト)を使用します。
テーマは、「2020年のPX研究会の活動予定」「最近のトピック」です。トピックについては詳細が決まりましたらメールマガジンでお知らせします。参加費無料(研究会員限定)です。時間になりましたら、以下のURLからお入りください。
https://zoom.us/j/322951494?pwd=UzRSbXR6WkRCQlFGdFZTeTlCU09jQT09
※参加に必要なパスワードは申込いただいた方に個別にお伝えいたします。申し込みは下記リンクからお願いします。
Link: https://www.pxj.or.jp/submit/
今年初の勉強会となります、みなさまふるってご参加ください!
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野村證券株式会社が発行する『Healthcare note(ヘルスケアノート) 2020年2月号』(公共・公益法人レポート・シリーズ)で、PXが取り上げられています。
テーマは「PXを用いた患者中心の医療サービス評価――日本および海外における潮流とその背景」。当研究会代表理事の曽我香織さん、理事の安藤潔さんによる寄稿で構成されています。
曽我さんはPXの定義や海外での取り組み、日本での展開について紹介。安藤さんは、日本の医療界にPXが必要になった背景と、21世紀の医療システムにおける「医療の質」では患者中心性(PX)の視点が欠かせないことなどを説明しています。
下記リンクからは表紙のみ閲覧できます。フルレポートを読みたい方は、同社各支店にお問い合わせください。
Link: https://www.nomuraholdings.com/nhs-a/services/publication/healthcare.html
2.連載「Patient Stories」第35回 話す・食べる・噛むの回復
第35回「Patient Stories」は、口蓋がんによる手術で外見と機能を失ってしまった女性が、それらを回復するまでの長いジャーニーの話。話すこと、食べることは生活するうえで欠かせない能力です。そして外見も損わずに修復する――複数の医師がタッグを組み、困難な治療に挑みます。
☆ “They kept me going”
何年にもわたり、 Cheryl Westさんは胸の痛みと不安に苦しんでいました。口にも問題を抱えていました。「何か物が口の中に入っていると、舌が口の上側にぶつかったままになってしまいます。痛みを伴い、舌がずっと上あごについていることで皮膚硬結ができました。歯科医が皮膚硬結をはがした時、痛みを伴う紫色の突起物が残っていました」とCherylさんは言います。生検を行った結果、口蓋がんで、顔の右側にも広がっていました。
歯科医に紹介され、クリーブランドクリニックを受診し、Head & Neck研究所の Head and Neck Surgery & Oncologyのトップである Brian Burkeyさん は2011年に、Cherylさんの硬口蓋の右側、上あご全体、眼窩の下縁、内壁全体、軟口蓋の一部、いくつかのリンパ節を手術で除去しました。手術により非常に複雑な変形ができてしまい、適切に形成されないと発話や摂食、目の機能が損なわれる可能性がありました。
「口蓋に小さな穴があると、個人の生活の質に著しく影響する可能性があります。食べることを難しくし、発声に影響を与えます」とBrianさんは説明します。
クリーブランドクリニックの頭頚部研究所の顔形成および微小血管外科のトップである Michael Fritzさんによると顔面の形成外科において、この巨大な切除跡は困難な再建術の1つだといいます。「上あごを適切に修復しないと発話と食事の問題に加えて顔がくぼんで見えるほか、眼が沈み込んでしまい物が二重に見えるでしょう。数年前、これらの問題をすべて解決できる既存の技術はありませんでした」
この問題への対応として、Michaelさんは脚から腓骨と軟部組織を切除して移植、層状にして使うという新しい手術法を開発しました。「この手法により患者さんのアウトカムは大きく改善されました。患者は美容上の問題の修正だけでなく、食事と発話の能力を取り戻すことができます。患者自身の組織を使用した移植のため、拒絶反応のリスクはありません」
BrianさんがCherylさんのがんを摘出している間、Michaelさんは皮膚と軟部組織に沿って腓骨の一部を取り除いていました。「取り除いた骨は体重のわずか5%を支えているだけなので、移植に必要なものを手に入れるには非常に寛大なところです」とMichaelさん。除去された骨は複数のセグメントに切断され、上部は顔面と眼窩の形を整え、下部は口蓋を再構築し、将来の歯科形成の基盤となります。骨に血液を供給する血管は、上部の首や顔につなぎます。
口蓋がんは2011年に摘出したものの、乳がんによって追加の放射線治療は遅らせました。「二重の衝撃でしたが、神の恵みと偉大な医師のおかげで、がんにかかっていません」とCherylさんは振り返ります。乳がんの放射線治療後に、顔と首に追加で放射線治療を行ったほか、治療プロセスを加速するために高圧酸素療法を受けました。
この時点ではっきりとした発話ができず、流動食しか食べられなかったため、さらに小さな手術を行いました。クリーブランドクリニックの歯科、口腔外科、顎顔面補綴学科の元トップで補綴(プロテーゼ)の専門医であるSalvatore Espositoさんは「Cherylさんは外見と食事、話す能力に大きく影響する歯がわずかしか残されていませんでした。私の仕事はそれを修正することです」と語ります。Salvatoreさんは前部ワイヤのない口腔内補綴物を設計しました。「補綴物により、わかりやすい話し方と噛むことができるようになりました。顔と目の骨の再建は外観と機能を維持することを助けており、歯の修復で再び全部の機能を使えていると実感できました」
それは長く、困難な旅でした。Cherylさんは近親者や“第2の家族”と考えている医師の支援を受けました。「医師たちは素晴らしく、忍耐強く対応してくれました。私が完全に癒され、食べ物を再び噛めるようになったのは数年前でしたが、すべてのステップを通して彼らは私と一緒にいてくれました」とCherylさん。「彼らは私の支えとなってくれました」
3. 今後の予定
当研究会では勉強会を3年間、東京で定期開催していましたが、2020年は「PX寺子屋」と銘打ち、全国展開していきます。
内容は、PXの初歩的な話と実践事例(事例はスピーカーによって異なります)の紹介です。年10回程度を予定しており、日時、場所は決定次第、当メールマガジンやホームページでお知らせします。自分の医療機関や地域で寺子屋を開催したいというご要望にもお応えできればと思っていますのでぜひお声がけください。
※研究会員の方が対象です。地方開催の場合は交通費をご負担いただきます
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
「快適で足にやさしいしオススメ」ということで、友人から写真が送られてきました。アンテナが高い彼女曰く、5本指の靴のトレンドが来るそうですが、どう思いますか?(F)