1.「患者への寄り添い方」冊子支援のお願い
2.連載「Patient Stories」第30回 あきらめず闘い続ける!
3. 今後の予定
1.「患者への寄り添い方」冊子支援のお願い
PXを高めるのに重要なのは、患者にとって必要なサービスが提供されているかどうか、患者の声に耳を傾けることです。日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会が昨年開催した第2回PXフォーラムでは、患者の話を聞く場としてシンポジウムを開き、一般社団法人がんチャレンジャー代表理事の花木裕介さんに登壇いただきました。
がんチャレンジャーでは、がん患者が治療や人生に前向きに取り組むことができるかかわり方を載せた冊子を作成することになりました。民間企業、医療機関などの管理職や人事・総務担当、産業保健スタッフ、医療従事者に無料で配布することを想定しています。現在、冊子を制作・配布するための支援を募っています。
同法人は2019年11月に設立し、がんという病気に挑戦する方や、がんに罹患しながらも人生の挑戦を諦めない方を後押しするため、「人が人に寄り添う社会づくり」に貢献していくことをミッションとしています。
花木さんは、がん対策推進企業アクション認定講師、産業カウンセラーで、がん患者として自身の体験を伝える活動に取り組んできました。「1年以上活動をしてきて、『がん患者とどのようにかかわればいいのかわからない』という相談が多く寄せられました。1人でも多くの方が患者とのかかわり方のヒントを手に入れ、患者に積極的にかかわることで、人が人に寄り添う社会づくりを実現したいとの思いから、冊子の制作と普及を思い立ちました」と花木さん。
冊子は、花木さんのがん患者としての体験と産業カウンセラーとしてのノウハウをもとに、コミュニケーションのとり方や寄り添い方のスキルを紹介。うれしかったかかわりなど、9人のがん対策推進企業アクション認定講師の体験談も掲載します。
冊子作成の支援方法は寄付、協賛、広告出稿などがあります。花木さんは「冊子配布を皮切りに、寄り添い方の重要性をうたった研修などを展開していくことで、がん患者がより挑戦(チャレンジ)しやすい世の中づくりに貢献していきたいと思っています」と話しています。
冊子の普及により、患者支援の輪を広げていきませんか? 問い合わせは下記からお願いします。
Link: https://www.gan-challenger.org/contact/
2.連載「Patient Stories」第30回 あきらめず闘い続ける!
クリーブランドクリニックの患者ストーリーを紹介する連載「Patient Stories」も第30回となりました。生涯にわたって自分の健康を支えてくれる病院への絶対的な信頼。1人ひとりがプロフェッショナルとして仕事を行うことが、全体として質の高い医療を提供することにつながり、患者からの信頼を得ているのだと思います。
☆ 生涯にわたる健康問題をサポート
Dan Meadeさんは人生を通して健康問題に直面してきました。左足は先天性内反足で、10歳でウイルス性肺炎と診断されたがあきらめず、病気と闘い続けています。現在67歳のDanさんは1977年に初めてクリーブランドクリニックを訪れました。
「私の人生のターニングポイントでした。肺炎は横隔膜に半永久的な損そうを引き起こし、左の肺は長年にわたって萎縮していました。その結果、気管支炎と肺炎に繰り返しかかりました」
Danさんは若い頃、できることが限られていました。肺の問題によって病気にかかりやすく、肺炎を12回患いました。25歳のときの体重はわずか100ポンド(約45キロ)でした。約10年前にワークアウトを始めました。集中してワークアウトに取り組んだことはなかったのですが、始めたらどんどん夢中になりました」
Danさんと妻のMichelleさんは2007年に、オハイオ州メディナに移住しました。「私はストロングスビルにあるクリーブランドクリニックでさまざまな医師をみてきました。2007年にメディナ病院がクリーブランドクリニックのグループ病院となり、有頂天になりました。私はクリーブランドクリニックの真の信奉者であり、彼らが提供するケアを最大限信頼しているので、住んでいる場所からわずか2マイルの病院で、クリーブランドクリニックの治療が受けられるのは素晴らしいことです」とDanさん。
Danさんは2016年には、5つの手術が必要となりました。そのうち1つは大腸憩室症による胃腸穿孔で、消化管に沿って嚢状胞ができました。Danさんは手術後、メディナ病院で数週間過ごし、経管栄養となり、体重が20ポンド落ちました。
「メディナ病院で受けたケアがなければ、私は今ここにいないでしょう。私のサポートグループの看護師は素晴らしい。彼らが行ったことに対し、十分な評価がまだなされていません」「何が起きたかわかりませんでした。救急車で病院に運ばれ、10日後に目が覚め、結腸に石があると言われました。彼らは私を2度救いました」
生命にかかわる大手術の2週間後、Danさんは脚に血栓ができ、再び入院しました。2016年に33回、さまざまな合併症でメディナ病院の救急部にいたことを思い出します。「スタッフはとてもプロフェッショナルでした。彼らは私のことを知っていて、それぞれの状況に応じて対処するために何をする必要があるかを理解していました」とDanさん。
長年の健康問題とMichelleさんのケアにより、Danさんは健康的な食事の重要性を認識し、厳格な食事療法と運動療法を行っています。
Danさんには必要に応じてコンタクトがとれるクリーブランドクリニックのプロバイダーチームがついていて、プライマリ、肺および整形外科の医師が彼の生涯にわたる健康問題のケアを行います。前立腺がんと診断されたときには腫瘍専門医、皮膚がんの診断を行った皮膚科医、関節炎となっている膝が問題を起こした場合の疼痛管理専門医などがいます。「私は年齢に合った素晴らしい体型について、医師などから賞賛されています」
出典:https://my.clevelandclinic.org/patient-stories/294-lifelong-health-issues-cant-keep-medina-man-down
3. 今後の予定
福岡市で2月29日(土)に開催される「日本医療マネジメント学会 第19回福岡支部学術大会」で、PXについてのシンポジウムを行います。
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会からは代表理事の曽我香織さん、世話人の井村洋さん(飯塚病院特任副院長)、西本祐子さん(国立病院機構九州医療センター小児外科医長)、小松良平さん(松下記念病院看護部看護師長)が登壇予定です。奮ってご参加ください!
当研究会では勉強会を3年間、東京で定期開催していましたが、2020年は「PX寺子屋」と銘打ち、全国展開していきます。
内容は、PXの初歩的な話と実践事例(事例はスピーカーによって異なります)の紹介です。年10回程度を予定しており、日時、場所は決定次第、当メールマガジンやホームページでお知らせします。自分の医療機関や地域で寺子屋を開催したいというご要望にもお応えできればと思っていますのでぜひお声がけください。
※研究会員の方が対象です。地方開催の場合は交通費をご負担いただきます
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
ランニングでウインドスプリントという練習法を取り入れました。100m×5本を全力で走ります。シンプルに楽しい。走りながら相好が崩れまくっているので……誰にも見られていないことを願っています(汗)。シューズを新調しましたが走力が追いつかず、“話題の厚底”ではありません。(F)