1.『看護管理』最新号でPXを特集
2.連載「Patient Stories」第16回 ダイエットは「皿の上だけ」にあらず
3. 今後の予定
1.『看護管理』最新号でPXを特集
雑誌『看護管理』(医学書院)の2019年10月号が発売中です。特集は「ケアプロセスを変革する新たな質指標 ペイシェント・エクスペリエンス」。PXを丸ごと取り上げていただいています。
同誌は、看護管理者として直面するさまざまな問題について解決策を探る月刊誌です。今号の特集ではPXとは何か、という基本的なところから日本における今後の展望までが網羅的に紹介されています。日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会として編集協力いたしました。
構成は次のとおりです。
・なぜ、日本の医療界に患者経験価値(PX)が必要なのか
ー改めて「患者中心性」の意義を振り返る
・ペイシェント・エクスペリエンス(PX)とは何か
・「日本版PXサーベイ」開発の取り組み
・[実施報告]国立病院機構九州医療センターの取り組み
・[実施報告]前橋赤十字病院の取り組み
・日本ホスピタルアライアンスによる「PXアンケート」実施の目的と成果
・PX推進に必要な人材育成
ー「ペイシェント・エクスペリエンス・エキスパート」養成講座を開始
・座談会「ペイシェント・エクスペリエンス(PX)」が医療現場にイノベーションを起こす
―先駆的な取り組みから、医療機関におけるPX活用の方策を探る
PXはこれまでもいくつかの雑誌で紹介いただいていますが、今回は病院での実践活動につなげていくための考え方と方法について、これまでの取り組みと今後の展開までを含めて掲載されています。雑誌の詳細、購入は以下のリンクからお願いします。
Link:http://www.igaku-shoin.co.jp/journalPortal.do?journalPortalId=686
2.連載「Patient Stories」第16回 ダイエットは「皿の上だけ」にあらず
第16回の「Patient Stories」は肥満と糖尿病を抱えた高齢男性のストーリーです。長年の食生活や習慣を変えるための総合的なプログラムにより再学習をした結果、人生が変わったといいます。何事も遅すぎることはない、の好事例です。
☆ライフスタイルを変えるための学び
72歳の心理学者Mitchell Waxさんは、数十年にわたって肥満と2型糖尿病に苦しんできました。クリーブランドクリニック機能医学センターが提供する10週間のケトジェニック食(低炭水化物・高脂肪ダイエット)プログラムに2回参加し、体重は53ポンド(約16キログラム)減量、インスリンの使用も大幅に減らすことができました。「多くの有益な情報とサポートを得ることができました。プログラムと食事が私の人生を変えたのです」
多くのアメリカ人と同様に、Mitchellさんはダイエットによる急激な減量と増加の繰り返しを経験しました。以前、ケトジェニック食を短期間試したことがありますが完全にコミットしていなかったため続きませんでした。生命を脅かす血糖値の数値を見て、そして短期間でインスリンの投与量が1日120単位と上昇したことで、プログラムに全面的に委ねようと決めました。
10週間のプログラム後、インスリン投与量は2~3週間ごとに4ユニット未満まで減少しました。「考えられる限りのあらゆるダイエットプログラムを試しましたが、減量しても戻っていました。高脂肪の食事は空腹にならないことがわかります。もしこの情報をもっと前にもっていたら、体重の問題は違っていたでしょう」
フィジシャンアシスタント(PA)で機能性医学ケトジェニックチームのメンバーであるSarah Cawleyさんは、環境とライフスタイル、遺伝と食物に関する教育が長期的な健康に影響を与えるものだと説明します。「減量をダイエットだけと考える人が多すぎます。皿の上に載った食べ物をみているだけではありません。私たちが提供するのは総合的な教育プログラムであり、それは患者がライフスタイルを変えるために学ぶ必要があるものをすべて網羅しています」
Mitchellさんは栄養や医療情報の動機づけと、患者グループの仲間によって、買い物や料理、食事への考え方を完全に再構築できました。「食器棚から炭水化物に関するものをすべて捨てました。外出先でのケトジェニック食をどう食べるかなど、食べ物についてすべてを再学習しなければなりませんでしたが、それだけの価値はあります」とMitchellさんは力を込めます。
「ケトジェニック食は万人向けではありませんが、糖尿病、インスリン抵抗性、病的肥満の人には効果的であることが多い」とSarahさん。「減量よりももっと重要なことは、プログラムを受けて健康的な環境をつくることです。Mitchellさんはエンゲージメントが高く熱心です。彼がうまくやっているのを見るのはやりがいがあります」
☆☆☆
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では今年から、PXの高い医療機関を投票によって決める「PXアワード」を開催します。医療従事者、患者、企業の方、どなたでも投票可能です。PXの高い医療機関として推薦する医療機関名と推薦理由、あなたの患者としてのストーリーをお寄せください。
3. 今後の予定
第30回勉強会を10月19日(土)に開催します。「がん患者のPXとは何か」を考える機会です、ぜひご参加ください。
第30回 PX研究会 勉強会
10月19日(土)13:30-15:30
場所:(株)セントラルユニ マッシュアップスタジオ
http://www.central-uni.co.jp/mashup-studio/
※通常と開催場所が異なります。間違えのないようにお越しください。
「PX概論」 国際医療福祉大学大学院教授 斎藤 恵一
「8カ月に及ぶがん治療における私のPXについて」 ティーペック株式会社 がん対策推進企業アクション 認定講師 花木 裕介
会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
9月23日まで開催されていた原田治展に駆け込みました。名前を聞いてもピンとこないかもしれませんが、「OSAMU GOODS」と言えばアラサー世代以上はわかるかと思います。アメリカのポップアートから日本の「かわいい」文化に影響を与えたというカルチャー的な背景を知ることができました。写真は展示ブース入口。かわいい! の一言に尽きます。(F)