日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.67

1.メディア・書籍での最新PX紹介
2.連載「Patient Stories」第8回 スカイブルーのTシャツがもたらすもの
3. 今後の予定

1.メディア・書籍での最新PX紹介


医療界においてPXは認知度が高いとは言えないものの、少しずつ、そして確実に浸透しつつあります。うれしいことに、最近ではメディアで取り上げられることも増えてきました。

 

このほどウェブメディア「Beyond Health」(日経BP)に、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会代表理事の曽我香織さんのインタビューが公開されました。

Beyond Healthは「従来のヘルスケアシステムにディスラプティブイノベーション(破壊的創造)をもたらすヒト、モノ、アイデアが集う場所を提供する」というコンセプトで立ち上げられているメディアです。

曽我さんのインタビュータイトルは、「スタバに見る顧客視点、医療・ヘルスケアにも生かせ」。どうしてPXにたどり着いたのか、医療をサービスと捉え、少し外側から見ていたからこその発想だったことがわかります。日本での導入を目指してPX研究会をつくり、勉強会をスタートさせた経緯なども語られています。

PXとスタバの関係とは? PX研究会の今後の展開は? 気になる方はぜひご一読ください。なんと、本日現在で人気記事ランキング1位です!

Link:https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/keyperson/19/00018/

 

日本PX研究会の世話人、中央大学大学院戦略経営研究科教授の真野俊樹さんの新著『医療マーケティング第3版』(日本評論社)でもPXのことが紹介されています。同書は日本で初めて、医療にマーケティング思考が必要であると提起したテキストであり、国内外の最新データ、ICTの進展などを盛り込んで刷新したものです。

Link:https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8084.html

 

PXならびに日本PX研究会について、今後も別メディアでの掲載が予定されています。メールマガジンでも随時紹介していきます。

 

 

2.連載「Patient Stories」第8回 スカイブルーのTシャツがもたらすもの


第8回の「Patient Stories」は進行性の神経疾患と闘ってきた少女のストーリーです。患者の強い意志は、ときに医療者の心を動かし、支えにもなります。ポジティブシンキングの大切さを彼女から学ぶことができます。

 

☆病気は「特権」 病気から教わったこと

クリーブランドクリニックの整形外科医Ryan Goodwinさんのオフィスには、スカイブルーの“Team Erin”Tシャツが飾ってあります。Ryanさんはそれを見るたびに、粘り強く物事に取り組むことの大切さを思い出します。

“Team Erin”Tシャツは、下肢に筋萎縮と感覚障害を引き起こす難病であるシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)を発症し、両足の再建手術を受けた17歳のErin Blackさんが主催したCMT協会のチャリティイベントで作られたものです。イベントには300人が参加し、1万1000ドル以上を集めることができました。「時々私のことを気の毒に思う人々がいますが、今ではこの病気を特権だと思っています。自分の人生で直面したことにいかに向き合うかを病気から教わりました。CMTによってほかの人を助けられるのをうれしく思っています」とErinさんは話します。

Erinさんは7歳のときに、クリーブランドクリニックチルドレンの小児神経科医のManikum Moodleyさんから1A型CMTと診断されました。生まれつきハムストリングスとアキレス腱が短いため、つま先立ちでしか歩くことができなかったErinさんは成長するにつれ、歩くことによる痛みが悪化していきました。その間、クリーブランドクリニックで理学療法士によるリハビリテーションを受けているなかで、手術が可能であることがわかりました。

Erinさんと彼女の家族は多くの外科医に相談しましたが、執刀医にRyanさんを選びました。「Erinさんと彼女の家族の治療に対する積極性が、この病気を扱うときのカギを握っていました。症状に気づいてすぐに受診することで進行性の神経疾患で生じる変形を緩和したり防ぐことにつながるからです」とRyanさんは説明します。Erinさんは「私は彼のものの見方が大好きです。外科医のなかには執刀するだけで満足する人がいますが、彼は私の準備が整う前に何かを強いることは決してありませんでした」とRyanさんへの感謝の気持ちを述べました。

Erinさん自身の健康な筋肉と神経を移植することによる再建手術は2017年8月、2018年6月の2回にわけて行いました。手術により10年以上もの間、耐えてきた痛みはなくなりました。「常に車いすを必要とするCMTの友人がいるなかで、手術を受けられたことがどれほど幸運だったのかを実感しています」「私は歩けるし、それはとってもクールなことです!」

 

出典:https://my.clevelandclinic.org/patient-stories/299-after-two-foot-reconstructions-teen-walks-across-stage-at-graduation

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日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では今年から、PXの高い医療機関を投票によって決める「PXアワード」を開催します。医療従事者、患者、企業の方、どなたでも投票可能です。PXの高い医療機関として推薦する医療機関名と推薦理由、あなたの患者としてのストーリーをお寄せください。

PXアワード2019

3. 今後の予定


第29回勉強会は8月24日(土)の開催です。最新のマーケティング論からCX、PXを考える場を設けます。多くの方の参加をお待ちしています。

 

第29回 PX研究会 勉強会

8月24日(土)15:00-17:00

場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F

※通常と開始時間が異なります。終了後に納涼会を予定。

 

「PX概論」 日本赤十字社医療事業推進本部財務課長  古源 真

「日本医療マネジメント学会発表報告」 日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会 藤井弘子

「マーケティング最前線におけるCX」 早稲田大学大学院経営管理研究科教授 川上智子

 

会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)

 

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

 

編集部から


7月19、20日に名古屋市で開催された日本医療マネジメント学会学術総会の続報、食レポ第2弾です(笑)。学会の合間に、PX研のN先生と某老舗喫茶店の有名なエビフライサンドを食べました。エビ好きにはたまらにゃーなお味でした。(F)