1.日本医療マネジメント学会でPXを紹介!
2.連載「Patient Stories」第7回 12歳の少年の新たなチャレンジ
3. 今後の予定
1.日本医療マネジメント学会でPXを紹介!
7月19〜20日に名古屋市で開催された「第21回日本医療マネジメント学会学術総会」で、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会のメンバーがPX関連の発表を行いました。
一般演題では、1つのセッションのなかで5人が登壇しました。
代表理事の曽我香織さんは、「PXサーベイの結果を改善行動に結びつけるための方策」をテーマに、今後日本の病院でPXサーベイを実施した場合にどのようなPX改善が考えられるのか、その結果PS(患者満足度)向上や病院経営改善につなげられるかの検討を行いました。海外ではPX改善のためのフレームワークがありますが、医療環境が異なる日本ではそのまま使うことができず、独自につくる必要性と、個々の病院の分析結果をもとにPS向上策が求められるとのことでした。
国際医療福祉大学教授の斎藤恵一さんは、当研究会で開発した日本版PXサーベイからPSの総合評価に関連する質問を抽出するための手法を提案。国立病院機構九州医療センターの西本祐子さんは自院で実施した外来編サーベイについて、設問内容や構成、結果分析法、院内での公表の仕方などを報告しました。
訪問看護ステーションゆーらっぷの講内源太さん、企業団広域紋別病院の松本さんは在宅患者へのPXサーベイについて話しました。講内さんは訪看ステーションでの実施結果として、「サービス全体での改善点が示され、自事業所の強み、弱みを認識することができた」と指摘。松本さんは米国の在宅医療向けのサーベイ(CAHPS)を取り上げ、PXを客観的に評価する方法を検討しました。
ポスター発表では、こばやし歯科クリニックの齋藤貴之さんが、来院患者にPS調査を実施し、その結果をジャーニーマップに落とし込むことで来院患者の目的(治療、メンテナンス)によってPSの傾向に差があることを報告しました。
学術総会のより詳細な内容については、8月24日開催の第29回勉強会で報告します。
当総会には2日間で4400人が参加しました。来年は6月26~27日、京都での開催となります。PX研究会の会員、PXに興味がある方の多くの参加を楽しみにしています。
2.連載「Patient Stories」第7回 12歳の少年の新たなチャレンジ
クリーブランドクリニックでの心温まる患者ストーリーを紹介する連載「Patient Stories」。第7回は希少がんと闘った少年と家族の、治療後の素晴らしいチャレンジを取り上げます。
☆募金活動でがん研究をサポート
12歳のOwen Timuraさんは8歳の時に腹部に小さなしこりが見つかり、Cleveland Clinic Children’sで検査した結果、悪性リンパ腫の一種である非ホジキンリンパ腫と診断されました。小児の1%にしか見られない珍しいがんです。8日後から、5カ月にわたって化学療法を開始しました。「この期間、私たちは病院か家にいるかで外出できませんでした。Owenの妹、6歳のReeseには何が起きているかを理解するのが難しかったです」と母親のWrenさんは振り返ります。
Owenさんは化学療法の副作用に耐え、治療開始から1年以内でがんは寛解し、治療から4年が経った現在でも再発していません。主治医のBuhtoiarovさんは「治療中もいつも笑顔のOwenの顔を見ることができたのは素晴らしいことでした。彼の年齢の患者としてはあまりないことです」と彼の年齢よりはるか年上の患者に対する態度でOwenさんに接したといいます。
健康を祝し、そしてCleveland Clinic Childrenへの恩返しとしてOwenさんとWrenさんは、がん研究のサポートのための募金活動「 VeloSano」に毎年参加しています。このイベントでOwenさんは1万3000ドル以上を集め、2019年の個人投資家上位20人にランクインしました。「ほかの子ども、大人にも自分が経験したことを経験させたくないとの思いです」とOwenさん。Buhtoiarovさんは「Owenさんは本当に素晴らしい家族を持っています。彼ががん研究のための資金集めを行うことは、多くの人への壮大な貢献です」と称えています。
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日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では今年から、PXの高い医療機関を投票によって決める「PXアワード」を開催します。医療従事者、患者、企業の方、どなたでも投票可能です。PXの高い医療機関として推薦する医療機関名と推薦理由、あなたの患者としてのストーリーをお寄せください。
3. 今後の予定
次回、第29回勉強会は8月24日(土)の開催です。会員以外の方でも参加可能です、ぜひお越しください。
第29回 PX研究会 勉強会
8月24日(土)15:00-17:00
場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F
※通常と開始時間が異なります。終了後に納涼会を予定。どなたでも参加できますので参加希望者は研究会までご連絡ください。
「PX概論」 日本赤十字社医療事業推進本部財務課長 古源 真
「日本医療マネジメント学会 発表報告」一般社団法人日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会 藤井 弘子
会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
日本医療マネジメント学会学術総会に研究会メンバーと参加。楽しく、学びの多い2日間を過ごしました。食わず嫌いだった人生初のひつまぶし、おいしかったです!(F)