1.「第2回PXE養成講座」を開催
2. 連載「Patient Stories」第2回 最高の父の日のプレゼント
3. 今後の予定
1.「第2回PXE養成講座」を開催
6月15日(土)に2回目のPXE養成講座を開催しました。
今回講師を務めたのは、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会世話人で京都大学大学院医学研究科の青木拓也さんです。PX(患者経験価値)を測る、強化するにはどうすればいいか? そのための評価・分析手法と、PXと混同されがちなPS(患者満足度)を比較することでPXへの理解を深める内容でした。
講座は毎回講義形式ですが、エクササイズやグループでのディスカッションなどを盛り込んでいます。今回はPXとPSの尺度を比較したり、在宅・病院・クリニック・介護施設それぞれにあるといいPX尺度について考えました。
受講者で第2回講座を欠席した方は、講座メンバー専用ページにテキスト・ビデオをUPしていますので視聴のうえ、課題の提出をお願いします。
講座の冒頭でご案内しましたが、PXに対する質問、講義のなかでの疑問、講座に対する意見等は info@pxj.or.jpで受け付けています。返答の際、迷惑メールフォルダに入ってしまう恐れがあるので、返信メールを受信できるようにあらかじめ設定してください。
2. 連載「Patient Stories」第2回 最高の父の日のプレゼント
前回から始まった、米オハイオ州のクリーブランドクリニックの患者物語を紹介する連載「Patient Stories」。第2回は、“早めの父の日”に娘に腎臓を提供した、心温まる父親のストーリーです。
☆最高の父の日のプレゼント
Amanda Egliさんは巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)という高レベルのタンパク質およびその他の要因により腎臓に瘢痕化を引き起こす病気にかかっており、腎臓移植を必要としていました。FSGSは腎不全、さらには死につながる恐れもある病気です。Amandaさんの母親、叔母、叔父もFSGSにより亡くなっていました。
クリーブランドクリニックの腎臓移植プログラムの泌尿器科の外科医であるAlvin WeeさんはAmandaさんの父親、Jim Whelanさんの思いに深く感銘を受けたといいます。Jimさんは娘であるAmandaさんが透析を受けることがないように、できる限りのことをすべて行おうとしました。
JimさんはAmandaさんの容態が徐々に悪くなってきたころ、自身の腎臓を移植したいと申し出ました。もしJimさんが腎臓を提供しなければ、Amandaさんは移植するのにかなり長い間待たされてしまう恐れがありました。National Kidney Foundation(全米腎臓財団)の統計によると、現在10万人以上の人が腎臓移植を待っており、実際に移植までに待つ期間は平均3.6年です。
Jimさんは自身の腎臓がAmandaさんとマッチしたことを知って喜んだと同時に、61歳という年齢が通常のドナーの年齢層より上だったので、移植が失敗してしまうことを心配していました。そんな時、同クリニックの医師たちから「移植はうまくいくから大丈夫」と伝えられ、安心したそうです。
手術は無事に終了し、Jimさんは数週間後には仕事に戻れるようになり、Amandaさんも移植前よりもエネルギーに満ちあふれている自分に気づきました。
Jimさんにとって自身の腎臓を娘に移植し、娘を救えたことが父の日最高のプレゼントだといいます。「Alvinさんは私を『ファーザー・オブ・ザ・イヤー』と称えてくれましたが、健康な父親が自分の子どもに腎臓を与えないことなどあるのでしょうか。私たち親子は以前よりも深い絆で結ばれています」。
☆☆☆
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では今年から、PXの高い医療機関を投票によって決める「PXアワード」を開催します。医療従事者、患者、企業の方、どなたでも投票可能です。PXの高い医療機関として推薦する医療機関名と推薦理由、あなたの患者としてのストーリーをぜひお寄せください。
3. 今後の予定
第28回勉強会は7月13日(土)の開催です。研究会メンバーが自身のPXの取り組みについて語る予定です。ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。
第28回 PX研究会 勉強会
7月13日(土)13:30-15:30
場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F
「PX概論」 講内源太
「PX最近のあゆみ」
演者:齋藤貴之・斎藤恵一・曽我香織・西本祐子・講内源太
会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
スープ好きで最近はシンガポール料理の肉骨茶(バクテー)にはまっています。「本場のものはもっとおいしい」と聞き、エクスペリエンスが高いというチャンギ国際空港の視察?を兼ねてシンガポールに行きたくなりました。(F)