日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol. 58

1.The Beryl Instituteのメンバーシップ
2.「企業のCX向上事例」第9回 ウェスティンホテル
3. 今後の予定

1.The Beryl Instituteのメンバーシップ


アメリカのPX推進団体「The Beryl Institute」のメンバーシップについてご紹介いたします。

The Beryl Institueは世界のPXを向上させるため、PXに関連するイベントを企画・運営していたり、ウェブサイトでPXに関する記事や研究を紹介したりといった活動を行っています。

メンバーになることは、PXの理解を深めたい人にとってさまざまな利点があります。

メンバーはPXの推進に活用できる研究データやPXの最新情報、事例紹介といった文献にアクセスできるようになります。また、PXの体系的な知識を習得するためのプログラムを受けることができるほか、「PX connect」というメンバー間で情報交換やディスカッションができるオンラインサービスもあり、同じ志を持つ世界の人々とコミュニケーションをとることも可能です。

通常料金は個人会員で年間275ドルとなっています(団体会員もあり。組織規模によって価格は異なります)。5月末まで会費が割引になるキャンペーンを展開中なので、興味を持たれた方はこの機会に申し込んでみてはいかがでしょうか。

https://www.theberylinstitute.org/general/pick_username.asp

 

 

PXE(Patient eXperience Expert)養成講座の受講者へのお知らせです。

5月18日に開催した第1回講座の動画が、PXE養成講座参加者専用ページにアップされています。欠席者だけでなく復習にもぜひ視聴ください。講座は毎回テストのみではなく、ホームワークもあります。次回6月15日の開催までに提出をお願いします。

https://www.pxj.or.jp/pxemebers/

 

2.「企業のCX向上事例」第9回 ウェスティンホテル


CX向上に取り組む企業を紹介する連載の第9回では、マリオットインターナショナルが運営しているウェスティンホテルです。同ホテルでは格別の「おもてなし」の取り組みがあり、おもてなしという言葉は日本の専売特許ではないことがわかるエピソードを紹介します。

 

☆企業名

Marriott International

☆企業概要

ホテル事業をグローバル展開する大企業。自社独自で運営しているホテルに留まらず、近年はシェラトンやウェスティンといったホテルを運営するスターウッド・ホテル&リゾートやリッツカールトンを傘下に収めるなど、世界で5000以上のホテルを展開しています。

☆ CX向上のための取り組み

ウェスティンホテルのCXを高める施策の一つとして顧客のWell-beingを重視しています。特に健康面に焦点を当て、チェックアウトの際には顧客がより良い自分になっているようにという願いを込めた取り組みです。健康の6つの柱として、「食べる・眠る・動く・感じる・働く・遊ぶ」を挙げています。

同ホテルのルームサービスは、CX向上のための工夫が凝らされています。顧客の健康を考えたスーパーフード(一般的な食品より栄養価が高い、 あるいは一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品)などを使ったヘルシーな食事である「イートウェルメニュー」を用意。メニュー表にはわかりやすいように葉っぱのマークが付けられています。他にも「スリープウェルメニュー」といってジェットラグなどで寝つきが悪い顧客に対し、快適な睡眠を促すための食事などがあります。

普段から運動をする習慣のある顧客がいつもと変わらず運動できるよう館内にトレーニングルームを完備するだけでなく、ニューバランス社と提携し、トレーニングウェアや靴の貸し出しを行っています。また、心身ともにリフレッシュしてもらうために館内にはスパを設置、宿泊者の部屋にスタッフが出向いてスパを行うサービスもあります。

今回ご紹介したサービスは一例にすぎませんが同ホテルでは顕在的・潜在的な顧客ニーズを把握し、サービスの提供を行っています。

そのほか日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会の日本版PXサーベイのように、宿泊の際のエクスペリエンスを調査しています。チェックアウトから約1週間後にアンケートのお願いが届き、ウェブ上で回答するシステムになっています。質問も多岐にわたり、10段階評価や実際のエクスペリエンスを具体的に記述するものもあり、顧客の生の声をもとに、サービスの改善に努めています。

当研究会代表理事の曽我香織さんが今年のPXサミットで米オハイオ州を訪問した際にウェスティンホテルに宿泊し、実際に下記画像のようなアンケートを受けました。

 

☆CXを向上した結果

ウェスティンホテルは一時期売り上げが伸び悩み、2009年の売上高は前年の約24億ドルから約20億ドルに落ち込みました。2010年は23億ドルまで回復しましたが、2011年5月から顧客の健康に焦点を当てた取り組みをスタート。その結果、同年の売上高は27億ドルを記録するなど業績を大きく改善しています。

 

 

3. 今後の予定


第28回勉強会は7月13日(土)の開催です。ホームページで参加申し込みを受け付けておりますので、多くの方の参加をお待ちしています。

 

第28回 PX研究会 勉強会

7月13日(土)13:30-15:30

場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F

「PX概論」

「PX最近のあゆみ」
演者:齋藤貴之・斎藤恵一・曽我香織・西本祐子・講内源太

 

会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)

 

 

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

編集部から


千葉県南部にある養老渓谷に行ってきました。川遊びやバーベキューなどができる自然いっぱいのスポットです。久々に自然に触れた気がしてリフレッシュできたかと思いきや、散策中に迷ってしまい山の中を3時間ほどさまよい歩いたので、二度と行くことはなさそうです。(T)