日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.306

1.PXフォーラムの申し込みは明日まで!
2.PXに対する消費者視点レポート2024
3.今後の予定

1.PXフォーラムの申し込みは明日まで!


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では「第7回PXフォーラム」を12月7日に開催します。講演、シンポジウムの一部を改めて紹介します。

今年のテーマは「働き方改革で考える医療機関の展望−PXとEXの視点−」。今年4月から、勤務医の時間外労働に制限が設けられています。労働時間を削減しながら診療体制を維持しなければならず、医師以外の医療者にも大きく関わってくる問題です。そうなると医療従事者のエンゲージメント、EX(Employee eXperience;従業員経験価値)が下がってしまい、結果としてPX(Patient eXperience;患者経験価値)の低下につながっていきます。

特別講演「医師の働き方改革が創るPXの未来」には、聖路加国際病院一般内科医員の藤川葵さんが登壇します。厚生労働省医系技官としての経験に基づき、働き方改革が医療サービス全体に与える影響を探り、患者と医療者が協力して実現する新しい医療の在り方を提案していただきます。また、患者自身が行動を起こし、医師を支えるための具体的なアプローチも考えていく内容となっています。

シンポジウム2「働き方改革実践例」では、第一線で取り組んでいる医師と看護師による発表およびディスカッションを行います。順天堂大学医学部附属病院順天堂医院NP準備室の診療看護師である重富杏子さんと、都立広尾病院総合診療科医師の小坂鎮太郎さんが登壇し、それぞれの医療機関での取り組みを紹介します。医療現場ではタスクシフト、ITの活用など、さまざまな工夫によって対応していますが、最終的にはEXおよびPXの改善に結びつけるにはどのようにすればいいのかを探っていければと考えます。

そのほかのPXやEX関連の講演・シンポジウムについては、下記ホームページのリンクにあるプログラム上部の「抄録」をクリックいただければ概要がわかります。

フォーラムは同日14:00-17:00に、オンラインで開催します(2025年1月末まで見逃し配信あり)。PX研究会会員は無料、一般3000円です。参加申し込みは12月6日までとなっております。知り合いの医療者などをお誘いのうえ、ぜひご参加ください!
Link:https://www.pxj.or.jp/pxforum2024/

2. PXに対する消費者視点レポート2024


米国のPX推進団体であるBeryl Instituteは、ヘルスケアにおける消費者視点に関する最新調査のレポートを公表しました。

2018年と2021年に先行調査を実施していますが、そのフォローアップとしてこれまで収集されたなかで最も包括的かつ広範な声を集めたレポートとして発表されています。レポートでは、世界中の人々にとって依然として重要なのはヘルスケア体験を形成する、人間同士の交流であることが確認されています。13か国を対象に実施された調査では、安全なケア、明確なコミュニケーション、そして敬意ある対応が世界的に最も懸念されていることが明らかになりました。

この調査では、世界のどこにいても、人々は人間的な対応を望んでいることが強調されています。主な消費者インサイトは以下の通りです。

  • 安全なケアが最も重要視されている
  • 明確なコミュニケーションと敬意ある対応は、ポジティブな体験に不可欠である
  • 人間的なつながりは、プロセスや環境よりも重要視されている

PXがロイヤリティと医療機関の選択を左右します。ポジティブな体験は長期的な関係につながりますが、一方ネガティブな体験は患者が代替医療を探すきっかけとなります。最終的には、患者がどのように扱われるかが患者が語るストーリーを形成し、将来の意思決定に影響を与えます。これは、世界中の医療機関にとって重要な戦略的考慮事項です。

受診プロセスや医療設備・環境よりも人と人とのコミュニケーションの重要性がクローズアップされている内容となっています。全文は下記リンクから読むことができます。

Link:https://theberylinstitute.org/wp-content/uploads/woocommerce_uploads/2024/10/Consumer-Perspectives-on-Patient-Experience-2024-1-mqh0nm.pdf

3. 今後の予定


※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

編集部から


今年は季節の移り変わりが遅かったので、東京では紅葉がピークに差しかかっています。毎年楽しみにしている、近所にある大学のイチョウの木の紅葉を今年も堪能しました。(F)