日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.298

1.第3回PXE養成講座
2.今後の予定

1.第3回PXE養成講座


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会によるPX(Patient eXperience;患者経験価値)の認定資格であるPXE。医療機関や企業でPXを広めていただくエバンジェリストを養成講座を7日、オンラインで開催しました。

2019年から開始したPXEですが、第6期となる今年は70人が受講しています。全5回の講座では、PXの基礎を実践につながる知識や事例を交えて学ぶことができます。第3回目となった7日は、PXに取り組む病院の事例を紹介しました。

医療法人財団岩井医療財団の古川幸治さんは、法人内の2病院でのPXサーベイの実施状況を説明しました。患者満足度と職員満足度の向上、診療の質の改善などを目指し、PXサーベイを実施することになり、併せて職員への作業負荷がかからない仕組みを考えました。アンケートアプリを導入し、タブレット端末で回答することで通年で実施しています。入院患者に対し、2019年6月から2022年4月まで4305件のアンケートを取得。古川さんは2年前との分析結果のほか、2つの病院間の比較した考察などを述べました。

続いて、飯塚病院の井村洋さんは、病院組織としてPXをどう展開していったのかを振り返りました。2018〜2025年の中長期計画のビジョンに「患者経験価値(PX)の向上」「患者・家族がすべてのプロセスにおいて『ここに来てよかった』と思える病院」を掲げています。「近隣にある病院との差別化、患者視点からの目標を表す指標が必要ということで推し進めました」と井村さん。PX向上のプロジェクトとして待ち時間15分減に取り組んだものの、達成できずに中断したところ、TQM(Total Quality Management;総合品質管理)運営の仕組みとして「顧客満足を獲得し続けることが大事」という組織判断から、PXサーベイの実施と改善に取り組むことになりました。今後、実施方法に変更を加えたうえでサーベイを実施するとのことです。

PXE1期生である日本原病院の平尾由美さんは、講座での学びからリハビリスタッフを対象としたサーベイ実施、ペイシェントジャーニーマップの作成、法人全体でのコーチング・PX研修などを実施してきました。入院患者へのPXサーベイを実施したものの、組織の運営方針としてPXよりもAIの活用がクローズアップされるようになっています。そこで平尾さんは、PXを活用したシステム導入からPXに対して期待できる影響をピックアップしました。「PX研修の再開に向けて、AIに関する内容を盛り込んだり、オンラインでの研修実施などを検討しています。EX(Employee eXperience;従業員経験価値)サーベイの実施が決ま理、プロジェクトチームに参加します」などと今後の展開を話しました。

講座ではグループになり、さまざまなエクササイズに取り組みます。今回は、「あなたの施設(病院、会社)でPXもしくはCX(顧客経験価値)のアンケートを取得するとしたら、どのような方法で実施しますか。またそれを実現するための課題や必要なアプローチは何ですか」といったテーマで話し合いました。

PXE養成講座はあと2回、次回のペイシェントジャーニーマップ作成は対面での実施となります。講座の様子を、写真を交えて紹介したいと思います。

2. 今後の予定


PX研究会ではPXに関する研究を推進するための助成金制度を設けています。助成対象はPX、EXを測定するサーベイを実施、そのうえでPX、EXを向上させる取り組みを⾏い、その成果を評価するまでの⼀連の研究・実践となります。病院、診療所、介護保険サービス提供事業所のほか、製薬企業や医療機器企業の職員、保健医療福祉に関係する⾏政職員が対象です。申請期間は10月31日までです。

https://www.pxj.or.jp/joseikin-2024/

*******

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

編集部から


にわかだったK-POPブームが最高潮まで達した今年の夏。ライブから映画まで、推し活をしています。。(F)