日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.279

1.バプティストヘルスのPX向上策
2.患者のPXを電子医療記録に統合
3.今後の予定

1.バプティストヘルスのPX向上策


米国ケンタッキー州に拠点を置く、キリスト教プロテスタントの一教派であるバプティストが運営するバプティスト・ヘルス・メディカル・グループは、PX(patient eXperience;患者経験価値)を向上させ、患者中心の文化を育成するため、サービスの質を改善し、患者のアウトカムを最適化する新しいモデルを導入しました。米国メディアプラットフォームが発行する「Becker’s HOSPITAL REVIEW」の掲載記事になります。

「段階的パフォーマンス構造」と呼ばれるこのモデルは、卓越したPXパフォーマンスを認識し、それに報いるための枠組みを確立するもので、標準アルゴリズムの開発によって構成されています。米国の医療コンサルティングファームであるPress Ganeyが実施した患者調査のデータを用いて、同グループの全診療所を4つのパフォーマンス層のいずれかに分類します。

この4つのパフォーマンス階層には、目標を達成し、かつ良好な軌道を描いている診療所を「recognize tier」、目標を達成しているが停滞または低下している診療所を「challenge tier」、目標を達成していないが良好な軌道を描いている診療所を「encourage tier」、目標を達成しておらず停滞または低下している診療所を「focus tier」としています。

これらの階層には、個別のスタッフ研修プログラム、メンターシップの機会、ベストプラクティスの共有プラットフォーム、重点的な行動計画、「毎月のPX事前ミーティング」が提供されます。

同グループによると、部門や診療所をこのように分類することで、PXリーダーは改善努力の優先順位を容易に決めることができるようになると指摘しています。

同グループによると、このモデルが実践されてからわずか2年で、PXに関連するさまざまな主要業績評価指標において、大幅な改善が見られたとのことです。さらに、一貫して全国トップクラスのPXパフォーマンスを達成し、提供されるケアの質に関する好意的なフィードバックが増加しています。

全文は下記リンクからご一読ください。

Link: https://www.beckershospitalreview.com/healthcare-information-technology/how-baptist-health-boosted-the-patient-experience.html

2. 患者のPXを電子医療記録に統合


米イリノイ州にあるPress GaneyはEpic社と協業し、PXデータをMyChart(患者と医療者が検査結果などを共有できるアプリ)に統合しました。医療機関が患者やスタッフのケアの質とエクスペリエンスを全体的に向上させるためにフィードバックを収集し、活用することを支援することを目的としています。

Epic社とPress Ganeyは、パーソナライズされたエクスペリエンスとすべての患者をトータルサポートすることで、ケアの向上を目指すものです。3億件を超える患者記録へのPXデータは、MyChart患者ポータルとCheers CRMに2023年に統合されました。

この統合ソリューションは、患者からのフィードバックに対するリアルタイムの洞察をサポートする重要なステップです。医療機関は懸念事項に対して迅速かつ効率的に対応できるようになります。

「患者、医療機関、支払者などをつなぐ国家的な医療ITインフラを構築する作業を続けるなかで、エクスペリエンス・マネジメントは重要な役割を担っています。Press Ganeyはリーダーであり、当社が日々使用しているワークフローに直接重要な洞察を提供し、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを患者に提供することに貢献します」とEpic社の副社長であるAlan Hutchisonさんは話しています。

Link:https://www.pressganey.com/news/press-ganey-announces-collaboration-with-epic-to-advance-integration-of-patient-experience-insight-into-electronic-medical-records/

3. 今後の予定


第14回「PX寺子屋」開催

日本PX研究会が設立以来続けている、PXを学ぶイベントです。オンライン開催となって14回目の「PX寺子屋」を3月9日(土)に開催します。PXの基本を学べる概論は、毎回違う講師がさまざまな視点からPXを語ります。トピックは、2024年の日本におけるPXの時流を知る絶好の機会です、ぜひご参加ください。PX研究会会員は無料、非会員は1000円となります。

時間:12:30~13:30

PX概論          島崎寛 日建設計

2024年「日本のPXの展開」 講内源太 有限会社いわきケアフォレスト

https://www.pxj.or.jp/events/

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2024年度のPXE6期生の募集を開始しました。全5回で、PX概論からペイシェントジャーニーマップの作成、PXに欠かせないコミュニケーションなどを学ぶことができます。PXE同期、卒業生とのネットワークにより、PX実践につながる交流も図れます。

医療者だけでなく企業勤務の方も受講可能です。申し込みは下記リンクからお願いします。https://www.pxj.or.jp/pxe6/

※6期からはPX研究会編著の書籍『ペイシェント・エクスペリエンスー日本の医療を変え、質を高める最新メソッド』(三輪書店)をテキストとして使用しますので、受講生の方は下記から各自でご購入をお願いします。

三輪書店オンラインショップhttps://shop.miwapubl.com/products/detail/2713 

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4895908062?ref_=cm_sw_r_cp_ud_dp_TQ04SWYRV6624N0S4X4K 

※全国の書店でも購入できます。

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※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

編集部から


心身ともに絶不調につき、メールマガジンを1週間スキップしてしまい大変失礼しました。コーチから瞑想を勧められたので整えたいと思います。写真は食事が摂れなかった時にもらった、みかんの大トロ「せとか」です。沁みました。(F)