1.組織のPX理解を深める「PX101」
2「企業のCX向上事例」第5回 ソニー損保
3. 今後の予定
※次週メールマガジンはお休みです。次は5月9日(木)配信となります
1.組織のPX理解を深める「PX101」
本メールマガジンでも何度か登場しているアメリカのPX推進団体「The Beryl Institute」がこのほど、PX101というツールの提供を始めました。
PX101は組織内でPXへの理解を深めたり、ディスカッションを促進させたりするためのツールです。ツールを使うことで、組織のメンバー同士でPXとは何か、私たちにとってPXはどのような意味があるのか、PXを高めるためにどのようなことができるのか考えることができます。
PX101はオリエンテーションプログラムや年次の必須教育プログラムなどに活用できます。以下の7つのテーマを延べ3.5時間かけて行います。組織内で進行役を決め、ファシリテーター用のガイドに基づきセッションを進め、PXに関する知識、理解を深めていくことができます。
- What is Patient Experience?/PXとは何か
- The Ripple Effect of Patient Experience/PXの効果
- What Matters Most to Patients/患者にとってもっとも重要なこと
- The Place for Empathy in Patient Experience/PXにおける共感の場
- Measurement and Patient Experience/指標とPX
- Service Recovery/(クレームやトラブルがあった場合の)リカバリー
- Staying True to Our Purpose/目的を持ち続ける
PX101はThe Beryl Instituteのメンバーになれば購入することができ、価格は使用する組織の規模によって異なります。詳しくは下記リンクからご覧ください。
https://www.theberylinstitute.org/page/PX101
2.「企業のCX向上事例」第5回 ソニー損保
CX(Customer Experience)向上に取り組む企業を紹介する連載の第5回は、ソニー損害保険株式会社です。「ソニー損保」の名称でよく知られています。
「安心を、もっと安く。」というフレーズが耳に残る、ソニー損保のテレビCMを見たことがある人は多いのではないでしょうか。このフレーズはただ売り上げを上げるためだけの軽い文言ではありません。同社では常にCXを考え、長期的な視野を持ち顧客ロイヤルティを高める考え方が浸透しています。
その現れとして、同社にはカスタマーエクスペリエンスデザイン部が設置されています。この部署は各部署間の垣根を越えて顧客の立場に立ち、CXを高めることのできる取り組みはないか模索し、実行に移す役割を担っています。同社ではカスタマーエクスペリエンス部を中心にCX向上の取り組みが行われています。
具体的な例として、自動車保険に関して自然災害が起こった際の顧客へのメール送信があります。自然災害、例えば大雪などで車が壊れてしまった時には保険が適用できます。これを知らない人は意外と多いそうです。通常ほとんどの保険会社では支払う保険料が多くなってしまうのでわざわざこのことを顧客に知らせるということは好まないでしょう。しかし、ソニー損保では例えば地方で大雪が降った際に顧客に保険が適用できる旨の情報を提供します。
また、自動車保険は年齢により保険料が変わります。ソニー損保はその際も顧客に連絡を行うようにしています。こうした取り組みはすべてCX、顧客のロイヤルティを高めるための施策です。一時的に保険料の支払いが増えたり、保険金の売上が減ることはありますが、長期的なリピーターを想定し結果的には収益につながると考えています。
業績が伸び悩んでいる保険業界でも好業績を残せています。また、NPS(ネット・プロモーター・スコア)という顧客ロイヤルティを図る指標があり、そのランキングでも常にトップに近い成績を維持しています。
参考文献
遠藤直紀・武井由紀子(2015) 『売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門』 日本実業出版社
3. 今後の予定
5月18日(土)に第27回勉強会を開催します。米オハイオ州クリーブランドでのサミットの参加報告のほか、HCAHPSによるPXサーベイの実施報告などを予定しています。
第27回 PX研究会 勉強会
5月18日(土)13:30-15:30
場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F
「PX概論」
「PXSummit 2019参加報告」(一社)日本PX研究会 代表理事 曽我 香織
「PXサーベイ(HCAHPS)実施報告」(一社)日本ホスピタルアライアンス
会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
最近は地元の銭湯によく行っています。湯舟にゆっくり浸かったりサウナにこもったりするとすごくリラックスできます。前にかなり贅沢をして横浜のSPA EASという温泉施設に行ってきました。いろいろな種類のお風呂や岩盤浴、ほかにもリラックスのための設備がたくさんあり極上体験でした。(T)