日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol. 45

1.PXを紹介した医療経営本が好評発売中!
2.〔連載〕「PXとわたし」第12回 菊池明美さん
3. 今後の予定

1.PXを紹介した医療経営本が好評発売中!


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会の世話人である渋谷明隆先生、中澤達先生が編著者、著者である『小説「逆転ホスピタル」で学ぶ医療経営フレームワーク入門』(日経BP社)が昨年10月に発刊、好評発売中です。PXについても紹介されています。

 

本書は病院を舞台とした小説のなかでストーリーを追いながら、経営のイロハを学ぶことができるビジネス書であり、医療の現場の問題解決の手法として、経営学で使われているフレームワークをわかりやすく実用的に紹介しています。

「マネジメントを学ぶ機会の少ない医療者に、経営フレームワークを医療の現場での問題解決ツールとして活用していただきたいという想いで執筆した」とのこと。実際に直面している経営や人事・労務のリアルなトラブルを題材として、その解決策を経営学的な観点からわかりやすく解説してます。一見とっつきにくいビジネスフレームワーク(ピラミッド・ストラクチャー、特性要因図など)を物語を通して理解できます。

 

☆目次☆
プロローグ ホスピタル病院
第1章 逆転のモチベーション
第2章 逆転のアンケート
第3章 逆転の待ち時間
第4章 逆転のたこ焼きソース
第5章 逆転の共同購入
第6章 逆転の人間ドック
第7章 逆転の発想
第8章 逆転の高額医療機器
第9章 逆転のピラミッド
第10章 逆転の目標設定
終章  逆転ホスピタル
エピローグ 逆転のその後

https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/18/270430/

第2章でPXが紹介されています。「患者がいつ、どこで、どのようなサービスを受けたかをリサーチして改善」「患者に対して個別に最適化したケアを提供できることを目指したもの」とPXを言及。患者満足度調査を実施する目的を考えたうえ、結果を数値化できて改善につなげられるPXに基づく内容に患者アンケートを改めるストーリーとなっています。

さらに内容を詳しく知りたい方、ぜひご一読ください。

 

2.〔連載〕「PXとわたし」第12回 菊池明美さん


第12回目は、菊池明美さんです。看護師として病院ではマネジメントする立場、日本PX研究会では、東日本統括マネジャーとしてPXサーベイの推進役を担っていただいています。研究会にもっと看護師を増やしたいとの野望をお持ちとのこと、ぜひ実現したいですね。

 

☆PX研究会との出合いと、勉強会に参加して思うこと

出合いは、以前このコーナーに登場した古川幸治さんからのお誘いでした。私と古川さんは以前同じ病院に勤めており当時、「患者サービス向上委員会」の委員長をしていました。患者さんからのアンケートをまとめていましたが、毎月同じような状況で悶々としていました。そんな時にPXを紹介され、「PXってよくわからないけど面白そう。何かのヒントになれば」との思いで参加しました。

初めて参加したときは日本版PXサーベイの作成をしている時期で、「看護師はナースコールを押してからどれくらいの時間で来ましたか?」の質問に衝撃を受けました。今までの患者アンケートでは、「(病状が良くなり)皆さんに良くしてもらってありがとう。○○さん、親切にしてくれてありがとう」みたいな回答でしたので、「ワオ!これは病棟ごとの差が出るかも。このような質問だと、何をどう取り組むかがわかりやすいかも」と思いました。 それからほぼ毎回参加をさせていただいていますが、いろいろな職種の方たちと、医療について語れるのは楽しいです。医療職でない方もたくさんいらっしゃいますが、皆さん本気で日本の医療をよいものにしていこうという思いが伝わってきて、毎回新鮮な気持ちになります。

☆わたしのPX体験(自院での取り組み、患者としての経験など)

現在勤めているところでサーベイはまだ行っておりませんが、近々取り組みたいと思っています。 当院の患者さんは周辺地域の方々が多いのですが、さらに患者さんに選ばれる病院にするためにはPXを向上していかねばならないと考えています。

☆ PXを学ぶ前後で変わった点

私は医療職なので主には提供する側ですが、その時々の患者さんの気持ちに沿えるように努力しています。多くの患者さんを一度に看ないといけない看護師はPXについて考える隙間もなく動きっぱなしですが、PXについてじっくり考えられる環境の提供も必要だと思っています。

☆PXにかかわって良かったこと・得したこと

研究会で楽しい仲間と出会えたことでしょう! 毎回が楽しく、毎回が勉強になります。

PXとは?

直接的な答えではないですが、私は看護師として患者さんとかかわる時は、患者さんの立場に立ち、患者さんに寄り添うことが一番大切だと思っています。私たちは毎日大勢の患者さんと接していますが、大勢の中の一人ではなく、一人ひとりが大切な「ひとり」であることを大事にしていきたいです。

 

☆自己紹介:

私のことを知っている人からは意外と言われますが、基本引きこもりなので、お休みの時にはおうちにこもって過ごしています。昼からのんびりお風呂に入り、お風呂の中で本を読むことがリラックス法の一つです。

3. 今後の予定


第26回勉強会は、3月16日(土)に開催します。日本版PXサーベイの取り組みについてのテーマを予定しています。

 

第26回 PX研究会 勉強会

3月16日(土)13:30-15:30

場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F

「PX概論」

「日本版PXサーベイ分析における新手法の提案」 斎藤恵一 国際医療福祉大学 教授

「日本版外来PXサーベイ 改善に向けて」 西本祐子 国立病院機構九州医療センター 小児外科医長

会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)

 

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

編集部から


先週のバレンタインデー、いかがお過ごしでしたか? 私はギャラリーにピアノのインスタレーションを観に行き、友人から女子度の高いチョコレートをもらって気分上がりました! 前職ではアシスタントの女子から、これ以上持ち上げようがないぐらいのキラキラワードのオンパレードなお手紙付きチョコをもらったなぁ……女子との思い出ばかりが増えていきます。(F)