1.PXと統合デジタルヘルスケア
2.「ELEVATE PX2022」開催案内
3. 今後の予定
1.PXと統合デジタルヘルスケア
統合デジタルヘルスケアがNHS(National Health Service;国民保健サービス)の変革にどのように役立っているのか――。インターネット上で論文などの学術情報を無償で自由に利用できる英国のオープンジャーナル「Open Access Government」にこのほど掲載された投稿を紹介します。
ヘルスケアおよび人的サービスプロバイダ向けのソフトウェアを開発する英VitalHubグループの開発担当副社長のLisa Rileyさんによると、統合デジタルヘルスケアはPX(Patient eXperience;患者経験価値)を改善、高レベルでの効率化を達成し、医療経済内のケア提供システムからバリューを取り出すことを目的としています。統合ケアはサービスの分断に対処し、より協調的、継続的で、より安全な患者ケアを可能にします。
この統合デジタルサービスを展開するVitalHubグループはNHSをサポート。Dx(Digital Transformation;ITにより人々の生活をよりよいものにする)の核心的なソリューションには、患者の動向、退院の最適化、システム全体の可視性などの管理ツールが含まれています。
運用管理ツールであるSHREWDを使用すると、すべてのユーザーがより広いインフラストラクチャ内およびその周辺で早期アラートを認識し、より適切に情報を提供できるため、特定の経路で何が起こったのか、または起こったはずなのかを調べるために、遡及的データを使用する必要がなくなりました。このデータ共有の利用は、意思決定者に重要な情報を提供するために必要なインテリジェンスを提供し、患者ケアサービスをより適切に調整および合理化するのに役立つといいます。
システム全体の統合をさらにサポートするのが、MCAP(Making Care Appropriate for Patients)臨床意思決定支援ツールです。MCAPの使用により、臨床医は個々の臨床ニーズに基づいて、患者が適切なレベルのケアを、適切な場所で受けているかどうかを客観的でエビデンスに基づいて評価できます。
また、Intouch with Health and Synopsisソリューションは、病院が患者のワークフロー全体を管理し、外来患者のケアと事前評価の流れを効率的に最適化することをサポートします。これらのソリューションはすべて病院の患者管理システム、電子カルテと統合されており、技術インフラストラクチャを作成し、地域全体に拡張することもできます。
特にCOVID-19では、安全でタイムリーなパフォーマンスの提供が継続的な課題であり続けることがわかっています。同グループはNHSチームに、より協調的に作業するために必要なツールを提供することで、タイムリーでアクセス可能かつ理解しやすいデータにしていく必要があるとしています。
Link:https://www.openaccessgovernment.org/integrating-care/114365/
2. 「ELEVATE PX2022」開催案内
アメリカのPX推進団体であるThe Beryl Instituteが主催するPXを学べるイベント「ELEVATE PX2022」の開催スケジュールが決まり、セッションの受付が行われています。
「ELEVATE PX2022」は2022年3月28~30日、米インディアナ州のJWマリオットホテルで開催されます。世界でPX向上に取り組むヘルスケアに携わる人たちによる講演やセッションを通して、PXに関するさまざまな先進的な取り組みを知ることができるイベントです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、ここ2年はバーチャル(オンライン)開催でしたが、次回はオフラインでの開催も予定されています。開催要件としてCOVID-19ワクチン接種が強く推奨されているほか、対面による会議スペースは最初は定員の50%以下でのエントリー受付となり、COVID-19の感染状況に応じて定員を増やすことも検討されます。すべてのセッションはオンラインで視聴できます。
▽エグゼクティブリーダーシップ、▽医師や看護師のリーダーシップ、▽PXとPS(Patient Satisfaction;患者満足度)、▽サービスの卓越性、▽患者と家族のアドボカシー、▽マーケティング/コミュニティへの働きかけ、▽医療の質/安全なオペレーション、▽人事/組織開発、▽臨床教育/スタッフ育成、▽患者と家族のアドバイザー、といった分野について学べるセッションが3日間にわたり繰り広げられます。
同時に、ブレイクアウトセッションおよびポスターセッションのエントリーを8月5日まで受け付けています。推奨されているトピックとして具体的に挙げられているのは、▽反人種差別への取り組み、▽患者のメンタルヘルスサポート、▽病院のCOVID-19への適応策、▽コミュニケーションスキルのトレーニング、▽公平性、多様性を実現するためのバーチャルコミュニティの再考、▽テクノロジーの活用によるPXカルチャーの定着、▽患者のクレーム管理、▽ヘルスケアシステム全体のリーダーシップ、▽PXとEX(Employee eXperience;従業員経験価値)のナビゲーションーーなどです。
参加登録もすでに開始しており、今年10月末までの申し込みではオフラインは会員1000ドル、非会員1150ドル。オンラインの場合は会員425ドル、非会員525ドルとなっています。セッションのエントリー、参加申し込みは下記リンクから可能です。
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日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会でもPXイベントを行います!「第4回PXフォーラム 変革から成熟へーWithコロナ時代のPXがもたらすものー」を12月4日に開催します。COVID-19の影響により、今年はオンラインのみでの開催です。PX研究会会員(法人・個人)は無料。会員外の方は第1・2部で3000円となります。第1部、第2部のみ(各1500円)参加も可能です。フォーラムの詳細と申し込みは下記リンクからお願いします。
https://www.pxj.or.jp/pxforum2021/
3. 今後の予定
第5回寺子屋を8月21日(土)に開催します。日本における“PX推進ホスピタル“、国立病院機構九州医療センターの2020年度の取り組みを報告します!
第5回PX寺子屋
・日時:2021年8月21日(土)13:00-14:00
・テーマ:「PX概論」 訪問看護ステーションアクティホーム 事業責任者 講内源太
「九州医療センター2020年度PXサーベイ実践報告」 国立病院機構九州医療センター 小児外科医長 西本祐子
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※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
近所を歩いていてタヌキがいる!と思ったらネコでした。野良ネコを見かけたのはいつ以来だったのか、思い出せないぐらい遭遇しません。(F)