1.The Beryl Instituteの法人会員になりました!
2.「HCD-HUB」PXフォーラムレポート
3. 今後の予定
※来週31日(木)のメールマガジンは配信お休みします。次回は1月7日(木)となります。
1.The Beryl Instituteの法人会員になりました!
前回のメールマガジンでは、アメリカのPX推進団体であるThe Beryl Instituteの「PX Book Club」を紹介しましたが、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会ではこのほどThe Beryl Instituteの法人会員となりました。来年からはグローバルコミュニティのなかでも活動していきます。
The Beryl Instituteは、ヘルスケアにおけるPXを高めるためのさまざまな活動を行っています。PXに関連するイベントを企画・運営していたり、ウェブサイトでPXに関する記事や研究を紹介しています。グローバルコミュニティには1000人以上のメンバーがいます。来年から始まる米国以外の会員を対象とした協議会に、PX研究会はメンバーとして参加。PXに関する取り組み、ニーズやアイデアなどを各国のメンバーと共有していきます。協議会での取り組みは、今後メルマガでも随時紹介していきたいと思います。
The Beryl Instituteの主な活動を、以下に紹介します。
☆HX2030
2030年のヘルスケアを見据えたプロジェクト「Human Experience 2030」(HX2030)は、HXへのコミットメントを図るために次の10年間で何が必要なのかを探っていくというものです。プロジェクトに関連したレポート、「A Vision for the Future of Healthcare」(ヘルスケアの未来に向けたビジョン)では、患者、家族、ケアパートナー、医療専門家など、ヘルスケアにおいて役割を果たしているすべての人の見識を紹介しています。
☆フレームワーク
▽スタッフと臨床医のエンゲージメント、▽イノベーションと技術、▽医療の質と臨床的卓越性、▽文化とリーダーシップ、▽環境とホスピタリティ、▽インフラとガバナンス、▽ポリシーと測定--という8つの戦略レンズ(視点)に基づいて、エクスペリエンスを強化するためのフレームワークを開発しています。
☆PX101
PX101は組織内でPXへの理解を深めたり、ディスカッションを促進させるためのツールです。ツールを使うことで、組織のメンバー同士でPXとは何か、私たちにとってPXはどのような意味があるのか、PXを高めるためにどのようなことができるのか考えることができます。
PX101はオリエンテーションプログラムや年次の必須教育プログラムなどに活用できます。以下の7つのテーマを延べ3.5時間かけて行います。
- What is Patient Experience?/PXとは何か
- The Ripple Effect of Patient Experience/PXの効果
- What Matters Most to Patients/患者にとってもっとも重要なこと
- The Place for Empathy in Patient Experience/PXにおける共感の場
- Measurement and Patient Experience/指標とPX
- Service Recovery/(クレームやトラブルがあった場合の)リカバリー
- Staying True to Our Purpose/目的を持ち続ける
☆CPXP
Certified Patient Experience Professional(CPXP)という、PXのスペシャリストの認定資格を展開しています。また、PXに関する15の知識体系コースを修了した受講者に、「Patient Experience Leadership」の証明書を授与しています。
☆Patient Experience Conference
世界のヘルスケアに携わるプロフェッショナルが集まり、講演やセッションを通してPXに関する新たな視点を得ることで、PXへの理解を深めて世界のPXを向上させることを目的に毎年開催しています。過去には、▽PXにおける医師や看護師のリーダーシップ、▽患者満足度、▽マーケティング・コミュニティへの働きかけ、▽医療の質と安全性--といったテーマが取り上げられています。
☆ホワイトペーパー
不定期にホワイトペーパー(報告書)を発行しています。『Experience Leader: A Critical Role at the Heart of Healthcare』(PXリーダー:ヘルスケア組織の中心での重要な役割)、『The Role of Nurse Executives in Patient Experience』(PXにおける看護師幹部の役割)といった現場での実践につながる内容です。
個人会員の会費は年間275ドル。メンバーはPXの推進に活用できる研究データやPXの最新情報、事例紹介といった文献にアクセスできるようになります。PXの体系的な知識を習得するためのプログラムを受けることができるほか、「PX connect」というメンバー間で情報交換やディスカッションができるオンラインサービスもあり、同じ志を持つ世界の人々とコミュニケーションをとることも可能です。そのほかポッドキャスト、ウェビナーなどにもアクセスできます。
Link:https://www.theberylinstitute.org/
2. 「HCD-HUB」PXフォーラムレポート
ヘルスケアとデザインにかかわる人々の考え、リソース、想いをつなげるプラットフォーム「HCD-HUB」のサイトに、12月5日に開催した「第3回PXフォーラム」のリポートが紹介されています。
HCD-HUB編集部・編集長の辻麻友さんはPXE(Patient eXperience eXpert)の第1期生で、フォーラムのシンポジウムに登壇くださりました。レポートは前編・後編の2部構成で、前編はPX研究会代表理事の曽我香織さんの話、後編は米国から参加くださった(オンライン開催ならではのいいところです)Caring Accentの近本洋介さんの招待講演の内容に触れています(後編は近日中に公開予定です)。辻さんは、「アメリカの実践事例から学べること、その取り組みの積み重ねによって医療者が自分自身を当たり前に大事にできる環境がつくれるのではないか」と投げかけています。
PXフォーラムに参加された方、そうでない方も下記サイトにぜひ立ち寄ってご一読ください!
Link:http://www.central-uni.co.jp/hcd-hub/magazine/1597
3. 今後の予定
PX研究会では2021年も引き続き、PXを学べるオンライン勉強会「PX寺子屋」を開催します。現在、2月13日、5月15日、8月21日、11月13日のいずれも13:00~14:00の開催を予定しています。内容など詳細につきましては決まり次第、当メールマガジンとホームページでお知らせします。
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第3期PXE養成講座は2021年7月からスタートします。PX研究会ホームページで受講生の募集を始めました。概要と申し込みは下記リンクからお願いします。
Link:https://www.pxj.or.jp/pxe/
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※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
先日、ウルグアイからの留学生に「生活が苦しいのでお菓子を買ってください」と声をかけられました。2020年は大変な思い、生きづらさを感じた人が多かったのではないでしょうか。2021年は多くの人が楽しく過ごせる世界になればいいなあと思っています。PX研究会でも直接みなさまとお会いしたいです。本年もありがとうございました&来年もどうぞよろしくお願いいたします!(F)