日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.129

1.むつみホスピタル(法人会員)のご紹介
2.「第2回PXE養成講座」を開催
3. 今後の予定

1.むつみホスピタル(法人会員)のご紹介


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では患者中心・患者視点の医療サービスの実現をめざし、さまざまな事業を行っています。活動の1つとして、研究会の取り組みにご賛同くださり、一緒にPXの輪を広げていただける法人会員を募集しています。

このたび、新たに法人会員になっていただいたむつみホスピタル(徳島県徳島市)は、精神科の専門病院として、患者とその家族に寄り添うチームケアを実践しています。理事長の井上秀之さんに自分たちがめざす医療、そしてPXへの思いをお聞きしました。

 

☆患者の回復に寄り添う“むつみの道”

“むつみの道”を共に歩み、

人生をより豊かなものとし、

今を語り合って生きる

 

この、むつみホスピタルの理念にある“むつみの道”は3つに分かれています。

第1の道は、「こころの病を患う人々の回復への道」。回復とは、患者自身の物語であり、一人ひとりの物語に温かく寄り添い、自己決定を促すことで支援していくとしています。第2の道、「仲むつまじい組織への道」は、すべてのスタッフが個人として尊重されるなかで、専門職集団として利他的に協力してともに高め合い、長所を生かしたチームとなって力を発揮します。そして、第3の道「偏見のない穏やかな世界への道」へと続いています。

 

院内の壁には鮮やかな色調で、むつみの道のイメージ画が描かれています

 

むつみの道は絵画としてのほか、かわいいキャラクターとしても表現されています(文末リンクのホームページからぜひご確認ください!)。井上さんは、「理念はスタッフみんなに伝わらなければ何も始まらないので、やわらかく表現することを考えました」と説明します。「個々の患者さんに対し、回復に向けて価値を一緒に探しながら伴走したいですね。PXはそのアウトカム、スタッフの成長につながる指標になればいいと思っています」

 

☆PXとEXを推進する「PS室」

法人会員になった経緯について、「PXについて知ったのは1年ほど前。直感的に面白そうだと思いました。経験価値に重きを置いている点に一番ひかれました。ゴールにたどり着きづらく、プロセスにどうかかわって伴走できるかが重要な精神科の臨床にしっくりきます。また、エンプロイー・サクセス(Employee Succsess;仕事やさまざまな活動を通してスタッフがありたい姿を実現する)という概念を取り入れたいと思っていたので、PXとEX(Employee eXperience;従業員経験価値)を並行して取り組んでいくための部署をつくりました」と井上さんは話しています。

 

PXおよびEXを推進する部署として今年4月に「Personal Success室」が誕生しました。現在、次のような取り組みを行っています。人事考課とは切り離し、スタッフの夢や目標を応援しています。

・患者の回復のみならず、スタッフの成長や成功を応援(スタッフの誕生日を祝う、サクセスマップの掲示、イベント企画や業務改善など)

・PXを学び、普及させる

・見学者の対応、広報、研修、コミュニティづくりなど、人とかかわること

 

井上さんは、「入院患者を対象に実施しているアンケートをもとにプロセス評価を行うこと、大学との共同研究により看護師の行動を分析するといった試みをしていきたい」と今後の展望を語ってくださいました。精神科領域でのPXの指標づくりなど、PX研究会としても新しい取り組みを、むつみホスピタルと一緒にできることを楽しみにしています。

 

スタッフが交流を深め、意欲を高めるための自由なスペース「スタッフコモンズ」。みなさんとても楽しそうです!

 

医療法人むつみホスピタル

Link:https://mutsumi-h.jp/

 

 

2.「第2回PXE養成講座」を開催


10月31日(土)に2回目のPXE養成講座を開催しました!

 

今回のテーマは「PXとPS」。講師を務めたのは、東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター臨床疫学研究部講師の青木拓也さんです。

医療の質の要素の1つである「患者中心性」と、その指標となるPX(患者経験価値)について解説しました。さらに、PXを強化するにはどうすればいいのか、そのための評価・分析手法を紹介。PXと混同されがちなPS(患者満足度)を比較することで、PXへの理解を深めるといった内容でした。

新型コロナウイルス感染症の流行により、今回もオンラインでの開催となりましたが、グループに分かれてのエクササイズを行いました。今回はPXとPSの尺度の比較と、自分の施設でPXサーベイを実施するときにどんな質問項目を加えたいかについて考えました。

 

※受講者で第2回講座を欠席した方は、講座メンバー専用ページにテキスト・ビデオをUPしていますので視聴のうえ、課題の提出をお願いします。

 

 

3. 今後の予定


PX研究会では2020年は勉強会を「PX寺子屋」と銘打ち、全国展開していく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、すべてオンラインでの開催といたします。「第4回PX寺子屋」は、日程など詳細が決まり次第、掲載します。

 

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12月5日(土)に「第3回PXフォーラム~PXとEXから考えるWell-being」を開催します。

招待講演では、米ニューヨーク市のマウントサイナイ病院で医師向けにPX向上のためのコミュニケーショントレーニングを担当していた、Caring Accent主宰でCertified Patient Experience Professionalの近本洋介さんがアメリカの病院事情やPXとEXの取り組みについて話します。

今年はZoom(Web会議ソフト)での開催となります。研究会員は無料です。フォーラムの概要および申し込みは下記リンクからできます。

Link:https://peatix.com/event/1622615

 

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今年も「PXアワード2020」を開催します。「こんな医療機関がもっとあったらいいのに!」とほかの人に勧めたい医療機関に投票してください。結果は、第3回PXフォーラムで発表。投票は下記リンクからぜひお願いします。

Link:https://www.pxj.or.jp/pxaward/

 

 

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※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

編集部から


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