1.PXフォーラム開催迫る!
2.NHSの患者サポート
3. 今後の予定
1.PXフォーラム開催迫る!
日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会によるPX(Patient eXperience;患者経験価値)関連イベント、「第4回PXフォーラム」の開催が近づいてまいりました。当メールマガジンでこれまでお伝えしてきましたが、今一度、見どころ聴きどころをご紹介します。
PXフォーラムはPXの認知向上、学びを深める場として年1回開催していて、今年は12月4日(土)14:00~17:00となっています。今回のテーマは「変革から成熟へーWithコロナ時代のPXがもたらすものー」です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、患者と医療者間でコミュニケーションを図ることが難しくなっています。世界的にみてもCOVID-19の収束の見通しが立たない状況では、Withコロナを前提とした患者中心の医療を考えていく必要があります。
第1部では最初に、海外のPX事情を紹介します。COVID-19によってPXをどのように捉え、対応しているのか、日本で今後PXを考えるうえで参考にしていただければと思います。
「Withコロナ時代のPX」をテーマにしたシンポジウム①は、さまざまな医療現場で働く3人の医師がシンポジストとして登壇。コロナ禍で医療や患者を取り巻く環境の変化により、PXの指標となる従来の調査票(サーベイ)では十分ではないのか?という視点からPXを考えます。
続いてのパネルディスカッション「患者・住民に寄り添う墨田区モデル」では、墨田区保健所所長の西塚至さんにプレゼンテーションしていただき、その内容を踏まえて、PX研究会のメンバーがコロナ病棟や在宅で患者を診てきた医療者、住民・患者の立場から議論していきます。
墨田区モデルとは、地域完結型でのCOVID-19対応を行政と医療機関が協力して行うことで、地域の医療崩壊を食い止めることです。第5波によって東京都では約400人が亡くなりましたが、墨田区は重症者、死者ともにゼロでした。保健所としての対応、医師会や住民との関係をどう築いてきたのかに加えて、住民との信頼関係の構築の仕方について、第6波への対策を含めて紹介します。
第2部は、PX研究会が取り組んできたPXE(Patient eXperience Expert)の成果と、日本版PXサーベイに関連する内容です。
シンポジウム②はPXのスペシャリストとして現場で活躍いただいているPXEの2期生5人が登壇します。2015年からPXサーベイを実施し、結果を受けて組織横断的にPDCAサイクルを回すことで医療サービスの質向上につなげてきた国立病院機構九州医療センターの小児外科医長である西本祐子さんによる「PXサーベイ実施病院からの報告」では、第二種感染症指定医療機関としてCOVID-19患者の受け入れを行ってきた同院の対応を、PXの視点から検討します。
Withコロナの時代の医療、PXを一緒に考えませんか?今回はオンライン開催で、2部構成(14:00-15:50、15:50-17:00)。参加費は会員・法人会員は無料、第1部と第2部は各1500円です。フォーラムの詳細および参加申し込みは下記リンクからお願いします。
Link:https://www.pxj.or.jp/pxforum2021/
2. NHSの患者サポート
英国ではNHS(National Health Service;国民保健サービス)がさまざまなPXサーベイを実施しています。そのため、患者からのフィードバックの収集に多大なエネルギーと費用をかけていますが、実際にどのようなことが行われているのでしょうか。
NHSにはPALS(The Patient Advice and Liaison Service)という患者のサポートサービスがあります。PALSは各地域にオフィスがあり、患者は最寄りのPALSに直接アクセスできます。NHSの医療サービスに関するあらゆる疑問や質問、苦情などを受け、その解決を手助けし、NHS自体の組織改善を行なっています。苦情を改善につなげた事例が、NHSが発行する「Liste,Learn,Share」というニュースレターで紹介されます。このニュースレターは、患者からのフィードバックを受けてNHSが何をしているのかを医療者や一般の人たちに伝えるツールです。
PALSでは苦情を受けると、その内容についてトリアージ、評価、承認、専門分野の適切なスタッフを割り当てます。PALSに寄せられた声の1つに機能性神経症状症(FND)と診断され、そのままリハビリ施設に移った患者の話がありました。グルテンと乳製品に不耐性だったため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査結果を待つ入院までの2日間の待機期間に十分な食事が提供されなかったと感じたとのことでした。
他の患者が同じような経験をしないように、NHSでは入院時の書類に特別な食事療法が必要かどうかを問う質問を追加しました。さらに、病棟とケータリングチームとのコミュニケーションを強化することで、特定の患者ニーズがタイムリーに伝わるようにしました。患者のプライバシーを確保したレビューが行われ、解決するための作業が進行中だといいます。
そのほか「Liste,Learn,Share」では、ボランティアの取り組みやCOVID-19入院患者と家族との新たなコミュニケーションサービス、認知症やせん妄症状の患者在宅サポートなどについて紹介しています。
NHSの患者サポートについて詳しく知りたい方は、下記リンクからお読みください。
3. 今後の予定
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
大好きな上海蟹の季節、数年ぶりにありつけました!おいしいものは人を幸せにしますね。(F)